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プロポーズを終えて2人の結婚の意思が固まったら、次は両家の親への結婚報告が控えています。結婚挨拶は親にとって、自分の子どもがこれからの人生を添い遂げる相手を見極める大切なイベントです。そのためマナーを守り失礼のないようにするのはもちろん、好印象を抱いてもらえるような言動を心がける必要があります。
そこで今回は、両家の親への結婚報告のタイミングや日取を決めるポイント、挨拶当日の流れなどについてご紹介します。
プロポーズを終えたら、なるべく早くそれぞれの親に結婚の意思を報告をしましょう。一般的に両家への挨拶を終えるまでの段取りは、以下のようになります。
1. プロポーズを終え、結婚の意思を固める
2. それぞれの両親に、結婚の意思を切り出す
3. それぞれの両親に、パートナーを紹介する日取りを決める
4.(嫁入りの場合)女性の両親に挨拶に行き、承諾を得る
5. 男性の両親に挨拶に行き、承諾を得る
6. 両家からの承諾を得る
家族団らんの途中にふと姿勢を正して「2人に会わせたい人がいるの」と伝えるドラマのようなシチュエーションで結婚報告をする方は、実際には少ないかもしれません。
できるだけ直接伝える方が親にとっては喜ばしいことですが、遠方に暮らしていたり、仕事が忙しかったりして、親子で話す時間をなかなか持てない方もいるはず。そのような場合は、電話やビデオ電話でもいいので自分の肉声で真剣な想いを丁寧に伝えましょう。
SNSのメッセージ機能やメールで伝えることそのものが悪いわけではないのですが、ぶっきらぼうなイメージを与える可能性があり、結婚そのものの印象を悪くしてしまうこともあります。再婚や何らかのネックになり得る事情がある場合は尚更です。空気や態度が伝わりにくいメッセージ機能やメールは避け、直接自分の声・言葉で誠心誠意伝えることを心がけましょう。
結婚する意思を伝えることは照れ臭いですが、できるだけハッキリ伝えることが大切です。例えば女性の場合なら、以下のような言葉はいかがでしょうか。
「2人のプロポーズってどんなだったの?」
「〇〇さんが今度ウチに来たいって言っているの」
「結婚を前提にお付き合いしている人がいるの」
「先日、〇〇さんからプロポーズされたのよ」
これらのようなフレーズをいくつか頭に入れておくと、話の流れによっては切り出しやすくなる場合もあります。
結婚の意思を両親に伝えたあとは、パートナーに関する情報も合わせて伝えておきましょう。
・相手の名前と年齢
・相手の職業
・相手の出身地、現在の住まい
・どこで知り合ったのか
・兄弟の有無、長男か否か
・再婚などネガティブに働く可能性のある事情
上記のポイントは、両親が知っておきたい内容です。パートナーの人となりがわかる程度に伝えておきましょう。
反対に、パートナーに対しても両親の情報を共有しておきましょう。両親の性格や趣味、仕事、触れない方がいいことなど、当日の会話のヒントになる情報はパートナーも欲しいはずです。特に初対面の際は、両親もパートナーも幾分か気を遣ってしまうものです。重い雰囲気になるのを避けるためにも、会話のきっかけを作れるよう準備しておきましょう。
結婚報告を切り出すタイミングで、「パートナーが挨拶に来たいと言ってくれているの」と、次の段階へ進むための話し合いもしておきましょう。できるだけ両家のスケジュールに2人の都合を合わせて決める方が好印象でスマートです。
嫁入りする場合は、まず女性の両親に挨拶をしてから男性の両親に会うのが正しい順序です。婿入りの場合はその逆の順序にするのが古くからの習わしのようです。
なお、両親が古風な考えであれば、万事うまくいかないとされる「仏滅」や物事の始まりに選ばない方がいい「赤口」となどの縁起の悪い日取りは避けることが大切です。
場合によって重視すべきなのが時間帯です。それぞれの両親のスケジュールに合わせることが前提ではありますが、初対面か紹介済みかで望ましい時間帯は異なります。
初対面の場合、晩ご飯の準備の邪魔にならないように、14時前後に出向き2時間くらいでおいとまするというのが理想です。すでに紹介済みであれば、お酒を酌み交わす晩ご飯の時間帯に行く場合も多いようです。いずれにしても、それぞれの両親の希望があるのであれば、それに合わせて挨拶に伺いましょう。
結婚報告の際に会話が弾まず、重い雰囲気が流れることは何としてでも避けたいものです。そのためには、事前にどのような会話をするかある程度決めておく必要があります。
例えば、結婚式の有無がそのひとつ。この話をする場合は、あらかじめ自身の両親に結婚式の開催における希望をヒアリングしておくのが吉です。そうすれば結婚報告の際に、両親の意向も念頭に置いて話を進めることができます。両親によっては、「2人で自由に決めなさい」と任せる場合もあれば、「こうしなさい、ああしなさい」と積極的に関与する場合もあります。両親の意向になるべく添いつつも、方向性が違う際は2人で決めたことを真摯に伝えられるように、考えをまとめておくことが大切です。
挨拶当日の流れを確認していきましょう。
約束の時間の5分前には、玄関近くにいるように行動しましょう。遅刻はもってのほかですが、早すぎるのも失礼です。約束の時間ちょうどか、2~3分前にチャイムを鳴らすのがスマートです。なお、寒い時期の場合、コートは玄関先で脱いで腕にかけておくのがマナーです。
玄関を開けてもらったら、まず名前を名乗り簡単な自己紹介と時間を取ってもらったことへの感謝を伝えましょう。しっかりとした挨拶は部屋に通されてから行うので、玄関では失礼のない範囲で簡単な挨拶のみとしましょう。
すでに何度か相手の両親と会っている場合でも、結婚の挨拶はまた別です。いつもはフランクであったとしても、この日は結婚の許しを請うために訪れているわけなので、基本的には真摯な態度を心がけましょう。初対面の場合と同様に玄関では簡単な挨拶と、時間を取っていただいたことに対するお礼を伝えましょう。
どちらの場合においても、玄関で挨拶する際に焦って手土産を渡す必要はありません。
一言伝えるなら「お邪魔します」よりも「失礼いたします」の方が美しいです。また、入り口に近い下座に座るのが日本のマナーです。上座を勧められた場合は、一旦断るか、お礼を言ってから座るようにしてください。
椅子や座布団を使うのはあくまでも勧められてからにしましょう。挨拶する際は、洋室であれば椅子から立ち、和室であれば座布団から下りて行うのがマナーです。和室の場合は、敷居や畳の縁を踏まないように気を配ることも大切です。これができれば、さらに丁寧な所作となります。
結婚を承諾してもらいにきたからといって、第一声で結婚を切り出すのは良くありません。特に初対面の場合は自分の人となりを伝えることが肝心です。この時点で手土産を渡したり、あらかじめ話題を用意しておくなどして、その場の空気感を和らげたいという心遣いを感じてもらいましょう。
パートナーにあらかじめ自分の人となりを話しておいてもらうと、両親から話題を振ってくれるなど、より和やかな雰囲気づくりができます。両親に自分のことを知ってもらうのはもちろんですが、自分の話ばかりではなく、両親にも会話を振ったり質問をしたりして、両親のことを知ろうとしている姿勢も見せましょう。
いよいよ結婚の言葉を切り出します。
「○○さんのお父様、○○さんのお母様、○○さんと結婚させてください」と、相手の目をみて丁寧な言葉で伝えましょう。その真摯な態度だけで印象は随分よくなります。
すにで紹介済みで何度か会っている場合は、両親も安心して「こちらこそ娘をお願いします」とすぐに返答がくるかもしれません。しかし初対面や再婚の場合、もしくは両親にとって心配なことがある場合は、すぐに承諾をいただけないことも。不安を取り除くために、両親による質問が続く可能性もあります。予想していなかった返答や質問が来た場合も、おどおどすることなく、真摯に堂々と答えられるようにしましょう。
結婚のお許しをいただけた後は、両家の顔合わせなど結婚に向けての今後の流れや考えていることを相談しましょう。結婚は2人だけのことではなく、家族を含めたことになります。ですので、2人で決めたことを決定事項として伝えるのではなく、「両家の顔合わせはご相談のうえ〇月ころに出来たらと考えておりますがいかがでしょうか」など提案ベースで相談するようにしましょう。
なお、長居は禁物なので、訪問から1時間半~2時間を目安に話が途切れたタイミングを見計って「おいとまします」と切り出しましょう。連絡先を知っていれば直接、知らなければパートナーを通じてその日のうちに御礼を伝えるとより丁寧な印象が残るでしょう。
結婚報告において最も重要な挨拶の例文をタイプ別にみていきましょう。
「本日は、〇〇さんとの結婚のお許しをいただきたく、ご挨拶に伺いました。
〇〇さんと、これから先の人生を一緒に歩んでいきたいと思います。
ぜひ、結婚させてください。よろしくお願いいたします。」
「改めまして、ご挨拶させていただきます。
未熟者の私ですが、精一杯〇〇さんを幸せにします。
〇〇さんと結婚させていただけないでしょうか。」
「〇〇さんとは以前より真剣に交際をさせていただいています。
〇〇さんからお聞きになっているかと思いますが、〇年前に離婚歴があります。
〇〇さんと出会って今度こそ幸せな家庭を築きたいと思っています。
再婚ということでご心配をおかけしてしまっていると思いますが、〇〇さんを幸せにできるよう努力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。」
挨拶をする際のポイントは、両親の目をしっかり見ること。目が泳いでいたり、うつむいたまま話したりすると、「この人は本当に娘を幸せにする気があるのか」と疑われる可能性があります。誠実な態度で結婚したいという本心をしっかり伝えましょう。
このほか、当日に伝えると両親が驚いてしまうような事情はあらかじめ伝えておくことが大切です。そのうえで、当日の挨拶の際に改めて事情をしっかりと説明し、両親からの質問にも真摯に答えられるようにしておきましょう。
これから家族になる相手ということもあり、両親は相手方の細かい部分まで案外見ているものです。そのため、玄関での振る舞いから最後の挨拶まで、一貫してマナーを守りよい印象を与えましょう。
玄関先で靴を脱いだら、玄関へ上がった後に靴を揃え、玄関の方へ靴先を向けましょう。靴を揃えないだけでも、礼儀の点で印象を左右する可能性があるので要注意です。なお、中敷まで両親の目に入る可能性があるため、なるべくきれいなものに変えておくことをおすすめします。
パートナーを普段と同じ呼び方で呼ぶのもNGです。2人が恋人同士で親密な関係にあることは理解できても、正式な場での呼び方に両親が引っかかる場合もあります。結婚挨拶では、マナーとして「〇〇さん」と、さん付けで呼ぶようにしましょう。
相手の両親のことは「〇〇さんのお父さま・お母さま」と呼ぶのが望ましく、最初から「お義父さん・お義母さん」と馴れ馴れしく呼ぶのは避けましょう。
また、ドラマでよく耳にする「娘さんを僕にください!」や「結婚をすることになりました」といった挨拶も避けることをおすすめします。両親が「娘をモノ扱いされているみたいだ」「大事なことを事後報告か」とネガティブに感じてしまう可能性があるためです。両親の気持ちへの配慮を忘れないようにしましょう。
結婚の挨拶に伺う際は、手土産を持参しましょう。パートナーや両親が「気を遣わなくていいから手ぶらで」と言ってくれたとしても、正式な挨拶の場とわきまえて準備する方が失礼になりません。
あまり高価すぎるものは相手に気遣いの負担をかけてしまうので、2,000円~5,000円ほどのものにしておくことをおすすめします。
両家へ挨拶する際は、まだ結婚の承諾をもらっていない段階なので、品物はインテリア小物や食器といった後に残るものではなく、消えモノといって食べ物などがいいといわれています。パートナーとの何気ない会話から両親の好みを聞き出せればスマートですが、ストレートに両親の好みを聞いてしまっても「親のことを考えてくれている」と相手を喜ばせることができます。
なお、この挨拶の段階では「熨斗(のし)」は必要ありません。つけておきたいのであれば、紅白の結び切りの熨斗を包装の外側につけてください。このとき、下には自分の姓を書きます。
実際に渡す際は、「詰まらないものですが」というよく聞くネガティブなフレーズではなく、「ここのお菓子はとても美味しいので」「雑誌でも取り上げられるほど人気のお菓子で」など、ポジティブな言葉を添えることを心がけましょう。
服装も気をつけたいポイントのひとつです。自分の人となりを見てもらうといって普段着で訪問するのは、タブーです。フォーマルな場に出たことがない礼儀知らずと判断されても仕方がありません。
男性の場合は、初対面・紹介済みに限らず黒やネイビー、グレーのスーツがいいでしょう。シャツやネクタイは、遊びすぎないシンプルなものの方が年配の方には好感を持ってもらえそうです。
事前に親御さんから「堅苦しい服装をしなくていいよ」と言われたからといって、カジュアルすぎる服装で挨拶に出向くのはNG。ジャケットにチノパンなど、ビジネスカジュアルを選択すると無難でしょう。
忘れがちなのは、爪や髪、髭の手入れや、ハンカチや靴、靴下などの細かな部分。全体的に清潔感のある服装かどうか、事前にパートナーにチェックをしてもらいましょう。
女性の場合は、落ち着きがあるデザインのワンピースなどがおすすめです。明るく清潔感のある印象を与える色味を選ぶと素敵です。
またネイルが華美でないか、香水をつけすぎていないか、座敷に上がりやすい靴を選べているかなども合わせてチェックしたいポイントです。華美なピアスや指輪もできる限り避け、シンプルなアクセサリーを1つ程度に留めましょう。バッグについても、ハイブランドの物は派手な生活を連想させてしまう恐れがあるためなるべく控えることが大切です。髪色が明るすぎる場合は、事前にトーンダウンをしておきましょう。
初対面の場合は、その日で第一印象が決まります。服装や身だしなみで、マイナスの印象を与えてしまっては、その後の大事な話がスムーズに進まないなんてことにもなりかねません。両親に失礼のないような服装・身だしなみを心がけ、気持ちよく結婚報告をしましょう。
パートナーの両親への結婚の挨拶は、結婚に向けた最初の一歩です。出たとこ勝負で挑むのではなく、マナーを把握しておくことが成功の鍵といえます。結婚の挨拶を控えている方は、ぜひこの記事でご紹介したポイントを参考にしてみてください。
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