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人工ダイヤモンドとは?その歴史と現在の価値

ダイヤモンドは、素晴らしい輝きと絶大な硬度から「宝石の王様」と称されています。
天然のダイヤモンドは、地球深部の高温高圧下で炭素が結晶化して生成されることから、採掘が困難なこともあり、希少性の高い宝石として高い価値を持っています。
しかし、近年では科学技術の発展により、人工的にダイヤモンドを生成することが可能になりました。

本記事では、人工ダイヤモンドの歴史や特徴、天然ダイヤモンドとの違い、そしてその用途について詳しく解説していきます。

 

人工ダイヤモンドの歴史

人工ダイヤモンドの歴史は、18世紀にまで遡ります。
近代科学の父とも言われる科学者のラボアジエがダイヤモンドを燃焼させ、ダイヤモンドが炭素からできていることを証明しました。
この発見は、人工ダイヤモンド生成への道を切り開く重要な一歩となりました。
透明なダイヤモンドが成分的には木炭と同じだということは当時の人々を驚かせましたが、同時に、炭素からダイヤモンドを生成できる可能性が示されたのです。

とはいえ、人工ダイヤモンドの歩みには様々なハードルがありました。
19世紀に挑戦された人工ダイヤモンドの生成は、高圧・高温という条件を満たすことができなかったと言われています。

技術の進歩が目覚ましい20世紀に入り、1954年にはついにゼネラル・エレクトリック(GE)社が人工ダイヤモンドの合成に成功しています。
この「高温高圧法(HPHT法)」と呼ばれる技術は、天然ダイヤモンドが生成される環境を人工的に作り出すというものでした。
この際に製造された人工ダイヤモンドは、小さな結晶で、透明度が低かったと言われています。

その後、1970年代には「化学気相蒸着法(CVD法)」という新たな合成技術が登場します。
ダイヤモンドの種結晶に炭素原子を堆積させる方法で、HPHT法よりも低温・低圧で可能な合成技術です。
現在では、大粒で、宝石としても十分に美しく、無色透明な人工ダイヤモンドが合成できるまでになっています。

 

人工ダイヤモンドが作られる時代において、人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの価値はどこにある?

現在、精巧に作られた人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いを肉眼で区別することは困難と言われています。
専門機関による鑑定では、内包物の違いなどで違いを識別することもありますが、科学技術の発展とともに、見た目による違いの変化を見抜くことは専門家でも難しくなってきています。

こうした状況下においては、天然ダイヤモンドは鑑定書による価値評価が行われることも増えてきました。
「どこで採掘されたダイヤモンドを使っているか」という部分が重視され、同じ大きさであっても採掘の経緯や採掘地のにまつわるエピソードなどが付加価値となりうるのです。
既に閉じられた採掘所のダイヤモンドなどは価値が高くなる傾向があります。

宝石は、自然の作り出す、幻想的で美しい結晶物です。
その美しさだけでなく、宝石が出来あがる過程にも価値を見出すという考え方は、人工ダイヤモンドなどの人工宝石が登場するはるか昔から浸透しています。

また、石や宝石に神秘的な存在や意味合いが宿る「アニミズム」的な考え方は、人工宝石が普及する前から、世界的に広がっていました。
現在でも、「誕生石」などの意味合いの中にアニミズム的な考え方は継承され、「石言葉」などの考えた方も広く知られています。

希少性や神秘性に価値を見出すという考え方は、これからも変わることはないでしょう。
むしろ、人工宝石が登場したことで、自然の生み出した「オリジナル」である天然宝石の価値が上昇して行くということも考えられます。

 

注目される人工ダイヤモンドの「サステナブル」

近年、人工ダイヤモンドは「サステナブル」な素材として注目が集まっています。
サステナブルとは、「持続可能な状態」や「長期間にわたって継続・維持できる」という意味合いをもつ言葉ですが、近年ではとりわけ環境・社会・経済の三つを調和的に発展させる観点から「持続可能な社会の実現」を目指す文脈で用いられます。

人工ダイヤモンドがサステナブルな素材であるという考え方は、天然ダイヤモンドの採掘が環境や社会に負荷をかけている可能性があることからもたらされたものです。
天然ダイヤモンドには採掘のために森林を伐採したりするケースがあるほか、採掘の過程で水や大気を汚染する可能性があることも事実です。
省エネルギーやカーボンニュートラルを目指す現代の社会において、採掘に必要なエネルギーや、排出されるガスなどが問題視されることもあります。
とはいえ、人工ダイヤモンドもまた、製造の過程においてエネルギーを消費し、排出物も発生するため、どちらかサステナブルかというのは一概には言えない状況です。

また、倫理的な側面として、紛争ダイヤモンドの存在も懸念されています。
ダイヤモンドはその希少性と価値から、紛争の資金源となるケースがあり、こうしたダイヤモンドを「紛争ダイヤモンド」と呼びます。
また、こうした紛争ダイヤモンドを得るために、強制労働が行われていることもあるといいます。

ネガティブな面だけを集めていくと、天然のダイヤモンドはサステナブルではないと考える方もいるかもしれませんが、実際には、周囲の環境に配慮した天然のダイヤモンドも存在します。
また多くの紛争ダイヤモンドの存在を懸念し、商品として紛争ダイヤモンドを扱わないという選択肢をとる販売店も多く存在します。

ビジュピコでも、紛争ダイヤモンドを取り扱うことはありません。
お客様が安心して価値を感じていただける天然のダイヤモンドをご用意しています。

 

人工ダイヤモンドの工業利用について

人工ダイヤモンドは工事などにおける研磨工具はもちろん、半導体などにも利用されており、高精度加工、パワーデバイスの高効率化など、多方面で技術革新を支える素材として注目を集めています。

今後さらに生産技術が向上し、コストダウンが進めば、より広範な用途での活用も考えられるうえ、エネルギーの効率化や省エネルギーという面での社会貢献が期待できます。

 

人工ダイヤモンドの現在の価値とは

宝石としての人工ダイヤモンドは、天然のダイヤモンドと比べて大幅に安く販売されているケースがほとんどです。
しかし、価格や希少性が天然に比べて劣るとはいえ、その輝きや美しさを活用できるケースも少なくありません。
また、「安価に美しい宝石を入手できる」というのは、人工ダイヤモンドの普及に伴う恩恵でしょう。

近年では人工ダイヤモンドの宝石需要を需要を鑑みて、ダイヤモンドの鑑定機関が、宝飾用人工ダイヤモンドにも鑑定書を発行するケースも増えてきています。
鑑定書の発行は、天然のものと人工のものを区別するために行われることもありますが、「どういったラボで製造されたか」という価値を証明する場合もあるのです。
人工ダイヤモンドは、先述したように宝石以外の用途でも需要が伸びているので、これからも注目を集める素材になるでしょう。

天然ダイヤモンドについては、人工ダイヤモンドがどれだけ普及したとしても、その価値が失われる可能性は低いはずです。
私たちは天然のダイヤモンドが美しいジュエリーとして加工されるまでのストーリーに価値を感じるからです。
また、ジュエリーとして、人と歴史をどのように歩んできたかという点にも、私たちの関心は寄せられます。

人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンド、それぞれの個性や特徴。メリットなどを知っておけば、ダイヤモンドにさらなる興味が湧くはずです。

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