汚れが気になってきたプラチナジュエリーは、自分で磨いてよいのでしょうか？

そもそも銀白色に輝くプラチナは、変色・変質しづらく上品な輝きを放つ素材です。日常使いのジュエリーとしてはもちろん、フォーマルなシーンでも身に着けることができるため、婚約指輪や結婚指輪の定番素材として高い人気を誇っています。しかし、毎日身に着けていると気になってくるのがくすみや汚れ。「ジュエリー磨きの布で汚れをこすってもなかなかきれいにならない……」ということもあるでしょう。

そこで今回は、プラチナジュエリーのお手入れ方法をご紹介します。汚れの程度に合わせたお手入れ方法をはじめ、磨きの前に知っておきたい注意点、保管時の注意点なども解説するので、ぜひご参考にしてください。

プラチナジュエリーに磨きは必要？汚れの程度に合わせたお手入れ方法

お気に入りのプラチナジュエリーはずっときれいな状態をキープしたいもの。とく特に婚約指輪や結婚指輪は、その美しさを保ち続けたいと考える方が多いでしょう。しかし、日常的に身に着け続けていると、どうしても汚れが気になってきます。

なかでもダイヤモンドなどの宝石を留めている爪部分や指輪の内側の刻印部分は汚れが溜まりやすいため、きれいに保ち続けるためには定期的なお手入れが必要です。以下では、汚れの程度に合わせたお手入れ方法をご紹介するので、ぜひお試しください。

毎日のお手入れ方法

お手入れをせずに身に着け続けていると、汗や皮脂などによってプラチナ特有の輝きが損なわれてしまいます。そのため、着用後はキメの細かい柔らかい布で汚れを拭き取るようにしましょう。アクセサリー専用のクロスがあれば、専用クロスで拭いても問題ありません。プラチナジュエリー専用のクリーナーを使って汚れを拭き取るのも良いでしょう。このとき、研磨剤を使ったり強く拭きすぎたりするとプラチナジュエリーに傷がつく恐れがあるため、柔らかい布でやさしく汚れを拭き取るのがポイントです。

汚れがひどいときのお手入れ方法

汚れがひどく拭き取りだけでは落ちない場合は、ぬるま湯で薄めた中性洗剤に浸けて汚れを落としましょう。

洗面器やコップにぬるま湯と数滴の中性洗剤を入れ、その中にプラチナジュエリーを浸けておきます。しばらくすると汚れが浮いてくるため、毛先の柔らかいブラシなどでやさしく洗ってください。指輪の内側や刻印部分、ダイヤモンドなどを留めている爪部分などは念入りに洗いましょう。その後はきれいな水で洗い流して、水気を切って乾かせばお手入れ完了です。

このほか、ジュエリーショップの超音波洗浄機で汚れを落としてもらう方法もあります。

ただし、あしらわれている宝石によっては自宅で水洗いができない場合やジュエリーショップの超音波洗浄機が使えないこともあるため、どのようなお手入れが最適なのかをプラチナジュエリーを購入したお店へ確認しておきましょう。

変色やくすみが気になるしたときのお手入れ方法

プラチナは耐蝕性（たいしょくせい）に優れているため、基本的に錆びることはありません。しかし、一部の商品には割金に銅や銀が使用されており、お手入れをしないまま放置していると金属が汗や皮脂に反応して変色する可能性があります。もし変色してしまった場合は購入店に持っていき、元通りの色へ近づけるアフターメンテナンスの仕上げ直しを行うことをおすすめします。

このほか、重曹やピカールを使ってお手入れをする方法もあります。磨き直しをすることで変色やくすみをきれいに落とせる可能性があるため、なかなか購入店へ持っていけないという場合は試してみてもよいかもしれません。

重曹を使う

重曹はお掃除アイテムとしても活用されているため、自宅に重曹を常備しているという方もいるでしょう。そんな重曹の主成分は人体に無害な物質である炭酸水素ナトリウムで、安全性が高いことから自宅でも安心して利用できるのはメリットといえます。

重曹を使ってお手入れを行う際は、毛先の柔らかい歯ブラシや綿棒に重曹をつけて、そのままプラチナを磨きます。汚れが落ちてきたら水でしっかりと洗い流して、水気を拭けばお手入れは完了です。

ピカールを使う

金属磨きに専用の液体研磨剤ピカールを使う方法もあります。

ピカールは柔らかい布に少量とって、プラチナを軽く磨いて使用します。液体ではありますが、あくまで研磨剤なので強く磨き過ぎないように注意してください。やさしく丁寧に磨くことで傷つきを防ぐことができます。磨き終えたら乾いた布でしっかりと拭き取りましょう。

重曹もピカールも何度も使うとプラチナ自体の重量が減ってしまう可能性があります。さらに、水洗いと同様、あしらわれている宝石によっては重曹やピカールを使ったお手入れが向かないこともあるでしょう。自宅でお手入れをする前に、あらかじめ購入店へ確認しておくことをおすすめします。

プラチナ磨きの前に押さえておきたい注意点

上記でご紹介したように、プラチナ磨きは自宅でも行えます。

しかし、あしらわれている宝石によっては自宅でのお手入れが難しかったり、間違ったお手入れによって傷ついたりすることがあるため、プラチナ磨きの際には以下のポイントに注意しましょう。

宝石によっては水や洗剤の使用を避ける

プラチナは耐蝕性の高い金属であるため、中性洗剤を使って水洗いをしても基本的に問題はありません。

しかし、上述した通りプラチナジュエリーにあしらわれているついている宝石の種類によっては、水や洗剤が付着すると変色・変質してしまうものもあります。たとえば、婚約指輪や結婚指輪の定番の宝石であるダイヤモンドやルビー、サファイヤは水や洗剤でお手入れを行っても問題ありません。一方、パールやエメラルド、ターコイズ、珊瑚などは変色・変質してしまうため水や洗剤を使ったお手入れは避けましょう。この場合は乾いた柔らかい布で汚れを拭き取るだけに留めておいてください。

このように、宝石の種類に合わせてお手入れ方法を変えることが大切です。お手入れ方法がわからない場合や水洗いしても問題ないか不安な場合は、プラチナジュエリーを購入したショップに相談することをおすすめします。

基本のお手入れは汚れの拭き取りのみ

基本的なお手入れは、柔らかい布で汚れを拭き取るだけで問題ありません。ただし、金属用クロスを使用する際は、プラチナジュエリーに使えるクロスであるかどうかを確認する必要があります。金属用クロスには研磨剤入りと研磨剤なしの2種類があり、もしなぜなら、研磨剤入りのクロスを使ってしまった場合、くすみや傷の原因になってしまうからです。さらに、表面加工の施されたプラチナジュエリー指輪に使うと、加工が消えてしまう可能性もあるので注意が必要です。

お手入れによるくすみや傷、加工の消失を避けるためにも、日頃のお手入れは研磨剤なしの柔らかい布で汚れを拭き取る程度に留めておきましょう。

磨きすぎに注意する

プラチナジュエリーの状態によっては重曹やピカールなどの研磨剤を使ってお手入れをすることもありますが、使いすぎには注意が必要です。というのも、研磨剤は表面を削ってプラチナ本来の輝きを取り戻しているため、使いすぎるとプラチナジュエリー本体の重量が減る可能性があるからです。

強く磨きすぎたり回数を重ねたりすると徐々にプラチナがすり減ってしまうので、やさしく丁寧に磨くことを意識するだけでなく、お手入れ頻度にも注意しましょう。

磨きのお手入れだけでなく保管にも注意が必要！

プラチナジュエリーは磨きのお手入れ時だけでなく、保管の際も注意しなければならないことがあります。それは、「ほかのジュエリーと一緒に保管しないこと」「保管環境に気を付けること」です。

まず「ほかのジュエリーと一緒に保管しないこと」ですが、ジュエリーはジュエリーボックスへまとめて保管しているという方は多いでしょう。

しかし、一言で「ジュエリー」といってもその素材やあしらわれている宝石はさまざまです。プラチナのみを使ったジュエリーもあれば、ゴールドにダイヤモンドをあしらったジュエリー、シルバージュエリーなどもあるでしょう。

もしこれらのジュエリーを一緒に保管した場合、硬度の高いジュエリーや宝石が、硬度の低いジュエリーや宝石を傷つけてしまう恐れがあります。なかでもプラチナは純度が高くなるほどやわらかく傷がつきやすい金属であるため、硬度の高いシルバージュエリーと一緒に保管しておくと、傷がついたり変形したりすることも。

大切なジュエリーをいつまでもきれいな状態で保つためにも、ジュエリー同士がぶつかり合わないように小袋に入れるか、ジュエリーボックスの仕切りを使って保管することをおすすめします。

このほか「保管する環境」にも気をつけなければなりません。

ジュエリーにあしらわれている宝石によっては、直射日光や湿気に弱いものもあります。もし直射日光により長期間高温にさらされたり、湿気がこもりやすい環境に保管していたりする場合、いざ身に着けようとしたときに変色・変質していることも。

そのため、プラチナジュエリーを保管する際は、直射日光を避けて熱や湿気がこもらない通気性のよい場所へしまうようにしましょう。乾燥剤や防虫剤は変色・変質の原因になる可能性があるため、入れないようにしてください。

【おまけ】プラチナの指輪を外しておくべきシーン

プラチナは変色しづらく耐久性の高い素材ではありますが、先述した通り、純度が高くなるほど柔らかくなるという特徴があります。

また、プラチナジュエリーに混ざっているほかの金属の種類や付着する成分によっては、変色・変質してしまう恐れもあります。

汚れを防ぐだけでなく、変色や変質、変形を防ぐためにも、以下のようなシーンでは取り外しておくのがおすすめです。

・水仕事をするとき

・入浴するとき（温泉含む）

・プールに入るとき

・重いものを持つとき

・体を動かすとき

・寝るとき

・力仕事をするとき

・掃除をするとき

・料理を作るとき

ご紹介したシーンだけではなく、変色や変質、変形する可能性があると感じた場合は、ご自身の判断で取り外すようにしましょう。

このとき、取り外したプラチナジュエリーをポケットなどへ入れると紛失・破損する可能性があるため、ジュエリーポーチやジュエリートレイなどへ入れるのがおすすめです。

自宅でのセルフ磨きに加えて定期的にジュエリーショップでもお手入れしてもらおう

プラチナジュエリーは変色・変質に強いため、基本的に錆びや黒ずみが発生する心配はありません。

しかし、ジュエリーによっては割金として銀や銅を使用している場合があり、その割合によっては変色・変質してしまう恐れがあります。

大切なプラチナジュエリーをいつまでもきれいに保つためにも、ジュエリーに合った方法でこまめにお手入れを行うだけでなく、定期的にジュエリーショップでお手入れしてもらうことが大切です。自宅でお手入れを行う際は、今回ご紹介したプラチナ磨きの方法や注意点をご参考にしてください。また、保管環境や日常の取り扱いにも気を配ることが大切です。