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ラボグロウンダイヤモンドとは?その特徴と天然ダイヤモンドとの違い

ラボグロウンダイヤモンドとは?その特徴と天然ダイヤモンドとの違い

「ラボグロウンダイヤモンド」というダイヤモンドをご存じでしょうか?
「初めて聞く」「名前を聞いたことはあるけれど、どのようなダイヤモンドなのかわからない」という方もいるでしょう。

そこでこの記事では、ラボグロウンダイヤモンドについて解説します。生成方法や注目を集めている理由、価格などをご紹介するので、ぜひご一読ください。

ラボグロウンダイヤモンドとは?

ラボグロウンダイヤモンドとは、その名前の通りラボ(研究所)で育つダイヤモンド(グロウン)のことです。「人工ダイヤモンド」や「合成ダイヤモンド」とも呼ばれていますが、キュービックジルコニアなどの人造石や模造石とは異なります。

天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドとの違いは、生まれる環境にあります。天然ダイヤモンドは長い年月をかけて地中で育ちますが、ラボグロウンダイヤモンドはラボで数週間程度で育ちます。育つ環境こそ異なるものの、成分は天然とラボで変わりません。そのため、肉眼で天然ダイヤモンドかラボグロウンダイヤモンドかを見分けるのは難しい傾向にあります。
そんなラボグロウンダイヤモンドの特徴は、不純物を全く含んでいないクリアな結晶であること。天然ダイヤモンドは長い年月をかけて地中で育つためその過程で小さな異物が混入することがありますが、ラボグロウンダイヤモンドは完全にコントロールされた環境で育つため異物が入ることはありません。

なお、キュービックジルコニアと天然ダイヤモンドの違い、人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いの詳細については、以下の記事で詳しくご紹介しています。併せてご確認ください。

キュービックジルコニアはダイヤモンドとは違う?見分けるポイントを解説
人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドどちらを選ぶ?違いや値段差についてご紹介

ラボグロウンダイヤモンドの生成方法

ラボグロウンダイヤモンドの生成方法

では、ラボグロウンダイヤモンドはどのように生成されるのでしょうか?
生成方法としては、化学気相蒸着法と高温高圧法の2つです。

化学気相蒸着法(CVD)

化学気相蒸着法とは、高温低圧の環境で生成する方法です。薄くスライスしたダイヤモンドを種にして、炭素を含有したメタンガスにマイクロ波のエネルギーを与えることで、ダイヤモンドを層状に成長させます。
科学的な不純物の種類と量を細かく制御できるため、生成するダイヤモンドのサイズや純度、色をコントロールできるのが特徴です。

高温高圧法(HPHT)

高温高圧法とは、天然ダイヤモンドが生成されるマントルと同じ高温高圧環境を人工的に再現して生成する方法です。具体的には、筒状の炭素に55,000気圧もの圧力と1,400℃以上の高温をかけて生成します。
かつてはメレダイヤモンドを生成するのに活用されていましたが、技術の進歩により大粒のダイヤモンドの生成も可能となりました。これにより、現在のラボグロウンダイヤモンドの生成方法としては一般的になっています。

なお、ダイヤモンドの原石の種類や見分け方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。併せてご確認ください。

ダイヤモンドの「原石」に着目!種類や見分け方について理解しよう

ラボグロウンダイヤモンドが注目を集めている理由

ラボグロウンダイヤモンドが注目を集めている理由

婚約指輪や結婚指輪にあしらう宝石としてだけでなく、資産保全の品としても人気のダイヤモンド。希少価値が高いため、高品質のダイヤモンドを所有するのは容易ではありません。
ラボグロウンダイヤモンドは、そんなダイヤモンドを所有するための選択肢として注目を集めています。

環境に与える負担が少ない

天然ダイヤモンドは地球深部のマントルで結晶化した宝石であるといわれています。
ダイヤモンド鉱山で採掘されるキンバーライトという岩石の中から採掘されるのですが、その際、露天掘りや地下採鉱などさまざまな方法で採掘するため、ダイヤモンドの採掘が自然に影響を与えると懸念する人もいるようです。
しかし、ラボで生成されたラボグロウンダイヤモンドなら鉱山の採掘が必要ありません。さらに採掘のために水域を汚染したり土壌を荒廃させたりすることもないため、環境への負担が少ないといえます。

世界平和へとつながる

天然ダイヤモンドは非常に美しく希少価値の高い宝石であるため高値で取引されます。そのため、原産国であるアフリカ周辺では、紛争の資金源になっていることがわかっているのです。2000年代には紛争の資金源となる取り引きをしないための「キンバリー・プロセス認証制度」が制定されたことにより、現在取引されているダイヤモンドのほとんどは紛争とは関係していないと考えられています。
ラボで生成されるラボグロウンダイヤモンドは、人の手で作られているため紛争問題に一切関与していません。さらに製造には非常に高度な技術が必要になるため、全世界でも信頼されているラボでしか製造されていません。このことから、ラボグロウンダイヤモンドは世界平和の観点から見ても注目を集めているのです。

参考:GIA キンバリープロセス認証制度に対してGIA はどういった立場ですか?

ラボグロウンダイヤモンドの価格

天然ダイヤモンドは希少価値が高いため高値で取引されています。一方、ラボグロウンダイヤモンドは人工的に作られていて安定的に供給できるため、天然ダイヤモンドの2分の1程度の価格であることが多くなってます。さらに、希少性の高いカラーダイヤモンドも天然ダイヤモンドよりリーズナブルな価格で取引されている傾向にあります。
なかには「人の手で作っているのならもう少し安くならないのか」と思う方もいますが、ラボで数週間程度で生成できるとはいえハイクオリティーのダイヤモンドを大量生産できるわけではありません。あくまでも成長を促す環境をラボで整えているだけなので、クオリティまでは調整できないのです。そのため一つひとつ輝きは異なり、天然ダイヤモンドと同じように国際基準のグレードも存在します。
とはいえ、天然ダイヤモンドと比較するとクリアでさまざまなカラーを生成できることを考えると、ラボグロウンダイヤモンドによってダイヤモンドの存在は身近になったといえるでしょう。

天然ダイヤモンドと同じ成分のラボグロウンダイヤモンド

ラボで人工的に生成されているラボグロウンダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと同じ成分のダイヤモンドです。鉱山で採掘する必要がないため環境へ与える負荷が少なく、世界平和にもつながるダイヤモンドとして近年注目を集めています。ダイヤモンドを選ぶ機会があれば、天然かラボグロウンかをチェックすると面白いかもしれません。

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