「金は酸化しない」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。

実際は割金として含まれている金属の種類や量にもよるのですが、なぜ「金は酸化しない」といわれるようになったのでしょうか。

そこで今回は、「金は酸化しない」といわれている理由をはじめ、金が酸化・変色してしまったときの対処法などをご紹介します。金を酸化させないためにできることも解説するので、ぜひご参考にしてください。

「金は酸化しない」その理由とは？

「金属は変色（酸化）しない」というイメージを持っている方も多いでしょう。

実際に金は酸やアルカリに強く、変化が起こりづらいといわれています。その理由として、耐蝕性に優れていて安定した金属であることが挙げられます。

そもそも金属が酸化する原因としては、イオン化が関係しています。イオン化傾向が大きい金属ほど酸化しやすく、小さい金属ほど酸化しにくいのです。金はイオン化傾向が小さいため酸化しづらいといわれています。

「金は酸化しない」といわれているのにジュエリーが変色する理由

「金は酸化しない」といわれているものの、なかには金のジュエリーが変色した経験があるという方もいるでしょう。これは、ジュエリーに含まれるほかの金属が変色することが原因です。

金は純度が高くなるほど柔らかくなるため、ジュエリーなどに加工する際はほかの金属（割金）を混ぜています。この金属が汗や皮脂、空気、温泉の成分、洗剤などに反応することで変色してしまうのです。

そのため、純度が高いジュエリーほど変色しづらく、純度の低いジュエリーほど変色しやすいといえるでしょう。

変色しづらいジュエリーを身に着けたい場合には、18金以上のものがおすすめです。

もし金が酸化・変色してしまったときの対処法

もし金が酸化して変色してしまったらどうしたらよいのでしょうか？

以下では、所有している金のジュエリーが変色してしまった場合の対処法をご紹介します。

貴金属専用のクロスで磨く

もっとも手軽にできる対処法としては、貴金属専用のクロスで磨く方法があります。

とくに宝石がついているジュエリーの場合、ほかの方法で対処すると宝石が変質してしまう恐れも。宝石の美しさを損ねないためにも、まずは金属専用のクロスで磨いて付着した汚れや変色の原因となっている物質を取り除きましょう。

ただし、磨きすぎるとジュエリーそのものを傷つける可能性があるため、やさしく磨くようにしてください。

酸化還元反応を利用する

酸化による変色を抑えるために酸化還元反応を利用したお手入れも有効です。身近なものだとお酢やレモン、ジュエリーを浸けるための容器で対応可能です。

まずはお酢に塩を加えたもの、もしくはレモン汁を容器に入れ、その中に金のジュエリーを入れて浸します。しばらく経ったら水で洗い流して、柔らかい布で水気を拭き取れば完了です。

ただし、この方法は酸に弱い宝石がついているジュエリーには使用できません。

ジュエリーショップへ相談する

購入したショップへ相談して判断を仰ぐのも一案です。

自身でお手入れをするには不安な高価なジュエリーや変色がひどい場合には、購入したジュエリーショップへ相談するとよいでしょう。

アフターサービスとしてクリーニングや磨き直しなどを無料で行っているところも多いので、まずは相談してみることをおすすめします。

酸化以外の可能性もある

金が変色すると酸化していると思いがちですが、硫化や塩化の可能性もあります。

硫化による黒ずみは還元反応を利用して除去可能ですが、塩化はセルフケアでは落とすのが難しいためジュエリーショップへ相談しましょう。

なお、硫化による黒ずみは、アルミホイルを敷いた容器に重曹1とお湯3の割合で混ぜたものを入れ、そこに金のジュエリーを浸すことで対処できます。

金を酸化させないためにできること

では、そもそも金を酸化させないためにはどのようにしたらよいのでしょうか？

金を酸化させないためには日頃のケアが重要なので、以下の内容をチェックしてぜひお役立てください。

入浴する際は外す

先述した通り、金はそのままだと柔らかく加工しづらいため、銀やパラジウムなどの割金を混ぜています。

入浴時に身に着けたままだと、割金の種類や量によってはシャンプーなどの成分に反応して変色することがあるため、入浴する際は外しておくようにしましょう。

外したあとは専用のクロスで拭く

酸化による変色を防ぐためには、日頃のケアも欠かせません。

1日身に着けたジュエリーには皮脂や汗、化粧品などがついているため、外したあとは専用のクロスで汚れを取り除いて酸化を防ぎましょう。

専用のクロスで汚れを取り除けない箇所がある場合は、中性洗剤を使ったお手入れもおすすめです。

中性洗剤を数的垂らした水かぬるま湯にジュエリーを浸して、汚れが浮いてきたら柔らかいブラシでやさしく汚れを落とします。

その後、しっかりと洗剤を洗い流して、柔らかい布で水気を拭き取ったらお手入れ完了です。

化粧品をつけないようにする

化粧品に含まれる成分が酸化を引き起こすこともあります。

そのため、メイクの際はできるだけ化粧品がジュエリーに付着しないように注意することが大切です。メイク後にしっかり手を洗ってからジュエリーを身に着けるようにするとよいかもしれません。

ジュエリーショップでお手入れをする

毎日の取り扱いに注意していても、ケアが行き届かないこともあります。

そのため、定期的にジュエリーショップでメンテナンスを行うのがおすすめです。

ジュエリーショップではアフターケアとしてクリーニングを無料で行っているところが多いため、積極的に利用するとよいでしょう。

金のジュエリーは酸化しないように大切に扱おう

金は酸化しないといわれている金属ですが、ジュエリーとして加工する際には割金を混ぜるため、割金の種類や含有量によっては酸化（変色）することがあります。

日頃から金を酸化させないために気を付けることは大切ですが、万が一に備えて今回ご紹介した対処法を覚えておくとよいでしょう。

大切な金のジュエリーを末長く愛用するためにも、ぜひチェックしておいてください。

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