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2人の同意のもと結婚前に子どもを授かることを「授かり婚」といいます。「デキ婚」「できちゃった婚」と同じ意味だと捉えている方もいるかもしれませんが、実はこれら2つの意味はまったくの別物です。では、具体的にどのような相違点があるのでしょうか。
今回は授かり婚にフォーカスし、デキ婚との違いをはじめ、その割合やメリット・デメリットなどについてご紹介します。また、授かり婚を決めたら2人でやるべきことについても解説しているので、ぜひご参考にしてください。
繰り返しになりますが、授かり婚とは「2人の同意のもと結婚前に子どもを授かること」を指します。これまでは「デキ婚」「できちゃった婚」という言葉が広く使われていたため、これら2つと「授かり婚」を同意語だと認識している方もいるかもしれません。しかし実際には、「授かり婚」は「デキ婚」「できちゃった婚」と区別するために生まれた言葉だといわれています。
というのも、デキ婚は、主に「2人が予期せずに子どもを妊娠してしまった状態から結婚に踏み切ったこと」を指します。これに対して授かり婚は、結婚前に子どもを授かることに対して2人が同意していること。つまり、結婚に至るまでの道のりが大きく異なるのです。
かつて日本には、結婚前の妊娠はおろか、婚前交渉すら悪とする風習がありました。現在でも、一部の世代や地域にはそのような考え方が残っているかもしれません。そのため、結婚前の妊娠に対する世間のイメージは、多少なりともネガティブである場合があります。
しかし、これはあくまで想定外の妊娠からの結婚(=デキ婚)に対するもの。2人の意思による結婚前の妊娠(=授かり婚)は、結婚生活へと前向きに足を踏み入れるきっかけになるとして、若者を中心に多くの人が肯定的に捉えています。そのため、現代では授かり婚を行う人の割合が増えつつあります。
では、実際に授かり婚(デキ婚)をした先輩カップルはどれほどいるのでしょうか?
厚生労働省「令和3年度「出生に関する統計」の概況 人口動態統計特殊報告」によると、「結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子出生に占める割合」の全国における割合は18.4%であることがわかっています。つまり、5.5人に1人は授かり婚(デキ婚)ということになります。この結果から、妊娠の判明がきっかけで結婚の意思を固めることは、現代において決して珍しくないことだとわかります。
授かり婚のメリット・デメリットには、それぞれ以下のようなものがあげられます。
授かり婚のメリットには、たとえば「ポジティブな気持ちで出産や育児に臨める」という点があります。2人が望んで子どもを授かっているので、お互いに力を合わせながら二人三脚で出産・育児に取り組むことができます。
また「入籍から結婚・挙式までを短期間で進められる」という点も、授かり婚をした場合のメリットといえます。プロポーズを終えてお互いの結婚に対する意思が固まっても、その後に何も行動に移さなければ結婚がどんどん後回しになってしまいます。最悪の場合、結婚に至らないどころか、破局してしまう可能性も。
その点、授かり婚であればお互いに親としての責任感が芽生えるほか、出産までのタイムリミットもあるので結婚の準備を確実に進められ、結果として短期間で結婚・挙式まで進めることができます。
授かり婚のデメリットには、たとえば「周囲の目が気になる」という点があげられます。上述したように、授かり婚に対する世間のイメージはポジティブになりつつあります。しかし、中には授かり婚に対して「身勝手だ」「計画性がない」などと、ネガティブなイメージを持っている方も少なからずいます。そのため、場合によっては周囲の厳しい目に耐えなければならなくなることもあるかもしれません。
このほか「婚約指輪や結婚指輪の購入、結婚式、新婚旅行などのプロセスを飛ばさなければならない場合がある」というデメリットも考えられます。授かり婚の場合、第一に考えるべきなのは妊娠中の女性とお腹の中にいる子どもです。体調次第では外出が困難であったり、入院が必要になったりすることもあります。そのため、結婚におけるプロセスを延期せざるを得なくなる可能性があるのです。
これは、母子の健康・安全に配慮するうえで重要なことですが、多くの女性にとって婚約指輪や結婚指輪、結婚式、新婚旅行は、長年夢見た憧れのもの・イベントです。そのため、延期したままにするのではなく、状況が落ち着いたタイミングで改めて2人で検討することをおすすめします。
授かり婚を決めたら、どのようなことを行えばよいのでしょうか。以下でスケジュールをご紹介します。
授かり婚を決意したら、お互いの両親へ報告・挨拶をしましょう。両家の了承を得ないまま話を進めることは無礼にあたるので、きちんと段階を踏むことが大切です。
報告・挨拶の順番としては「女性の両親→男性の両親」が一般的です。無事にお互いの両親から了承を得たら、本格的に結婚・出産への準備を始めましょう。
また、両家の顔合わせも忘れてはいけません。結婚すると2人だけでなく、お互いの家族同士で付き合っていく必要があるため、挨拶の場を設けるようにしましょう。
両家の顔合わせは結納でもよいですし、カジュアルな食事会でも問題ありません。昨今は結納はせず顔合わせ食事会だけで済ませるカップルも多いので、妊娠中の女性の体調を考慮し進めていくことが大切です。
それぞれの両親への報告・挨拶が済んだら、次は職場へ報告をします。このときポイントとなるのは、まず上司にだけ伝えること。上司に報告する際は、「妊娠した」という事実だけを伝えるのではなく、仕事に影響する部分も細かく伝えておくことが大切です。具体的には、たとえば「現在妊娠◯カ月目で、仕事を続けたいかどうか」「定期検診があり、遅刻・早退する可能性があるかどうか」「出産後はどのような働き方をしたいか」といったことがあげられます。
全体を取り仕切る上司に報告しておけば、業務量をさり気なく調整してくれたり、急な欠勤に対応してくれたりと、サポートしてくれるはずなので、身体に負担をかけることなく安心して業務に取り組めます。
なお、社内全体への報告については、上司と相談してよいタイミングを見計らいましょう。
安定期に入ったら、友人にも妊娠していることを報告しましょう。妊娠が発覚した時点で友人に伝えても問題はありませんが、注意したいことが「妊娠したら確実に赤ちゃんが生まれるわけではない」ということ。安定期に入るまでに流産する可能性もあり、これは誰にでも起こり得ることです。万が一のことを考え、友人には安定期に入ってから報告するとよいでしょう。
妊娠したことを友人に報告する際は、誰に伝えるかを事前に決めておくことをおすすめします。たとえば仲の良いグループの人数が5人の場合、全員に伝えるか、そのうちの一部の人に伝えるかを決めます。もし一部の人にしか伝えないのであれば、ほかの人にはいわないようにしてもらいましょう。「聞いていない」という人がいると、交友関係が悪くなる可能性があります。これでは心から祝福してもらえなくなってしまうので、友人に報告する際は注意しましょう。
入籍手続きは授かり婚かどうかを問わず、結婚するうえで欠かせないプロセスです。「入籍日(=結婚記念日)にこだわりたい」という女性もいるかもしれませんが、授かり婚の場合は、身体への負担が少ないうちに済ませておくことをおすすめします。
このほか、入籍手続きを早めに済ませたほうがよい理由には、手続きをスムーズに進めるためもあります。出産後に入籍手続きを行う場合、まず出生届に父親の名前を記載することができません。出生届の提出は「産後14日以内」と決まっており、その間に入籍手続きを済ませれば父親の名前を記載できますが、産後は女性の心身が不調な状態です。そのような状態で入籍手続きを進めるのは望ましくなく、そうなると出生届は父親の欄を空白で出すことになります。
もし出産後に入籍手続きをするなら、「認知届」の提出も必要です。くわえて、児童手当や保険証などを旧姓で登録されている場合は新姓に変更しなければなりません。出産後に入籍手続きをするとやるべきことが増えてしまうため、スムーズに進めるためにも出産前に入籍手続きを済ませたほうがよいといえるでしょう。
さらに、入籍手続きを早めに済ませたほうがよい理由には、父親の自覚を持ってもらうためもあげられます。入籍すると、法的に夫婦関係が認められます。また、扶養義務も発生するため法的に父親である自覚を持ってもらうことができます。
男性の場合は体調の変化がなく普段と変わりない生活を送るため、どうしても父親になる自覚を持ちにくいもの。しかし、出産前に入籍しておけば少なからず自覚を持ってもらえる可能性があります。
入籍して新姓に変更する場合は、以下の名義変更が必要です。
・運転免許証・マイナンバーカード
・パスポート
・銀行口座
・クレジットカード
・生命保険、社会保険
・携帯電話
・会員登録しているもの
・電気、ガス、水道
1日ですべてを終わらせようと無理するのは禁物なので、体調を考慮しながら名義変更を進めていきましょう。
授かり婚の場合、結婚式を挙げるなら「妊娠5~7カ月の妊娠中期」のタイミングがよいといわれています。その理由は、妊娠初期に比べて体調が安定しているため。ただし絶対というわけではないので目安のひとつとして考え、女性の体調を考慮しながら決めることが大切です。なお、妊娠初期や妊娠後期(出産直前)は安静が必要な時期なので、避けることをおすすめします。
妊娠中は環境の変化によって体調を崩す恐れがあるため、安定期に入り落ち着いてから引越すのがおすすめです。引越し先がすでに決まっている場合は、近くの産院も探しておくようにしましょう。
もし引越し先が決まっていない場合は、産院から遠くない場所を選ぶことが大切です。というのも、妊娠23週(妊娠6カ月)までは4週間に1回だった妊婦検診が、妊娠24週(妊娠7カ月)になると2週間に1回、妊娠36週(妊娠10カ月)からは1週間に1回になるからです。
電車やバスで通院するとなると妊婦にとっては負担がかかるので、引越し先選びは十分注意しましょう。
また、お腹が大きくなると引越し準備も大変になります。妊娠後期になると体調面で安定はしてきますが、動きづらくなったり頑張りすぎるとお腹が張ったりするため、その点も考慮して引越し準備を進めましょう。
産前休業は出産予定日の6週間前から任意で取得が可能です。多くの方が出産予定日の1カ月前から産前休業を取得しているため、妊娠8カ月目に入ったら仕事の引継ぎを進めるようにしましょう。
余裕がある場合は引き継ぐ前に自分が抱えている仕事を整理し、誰が見てもわかるマニュアルを作成しておくのがおすすめです。そうすれば、あまり時間をかけずスムーズに引き継ぐことができます。また、ほかの方に自分の仕事を実際にやってもらう上でイレギュラーが発生することもあります。安心して休みに入るためにも、質問の時間を設けられるよう余裕を持って引継ぎをしましょう。
産前・産後休業に関しては、出産予定日の6週間前までに申請が必要です。育休は育休開始日の1カ月前までに申請しなければならないので、早めに手続きを済ませておきましょう。
妊娠9〜10カ月目になると、いよいよ出産・育児に向けて必要なものを準備していかなければなりません。たとえば出産の際、産院によってはパジャマやスリッパの用意がないため自分で準備する必要があります。何が必要かは産院によって異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
赤ちゃんの準備に関しては、まず寝るスペースの確保が必要です。頭上や周囲に物がある場合は、片付けておきましょう。
このほか、ベビー服やおむつ、ミルク、哺乳瓶などの準備も必要です。事前にある程度準備しておくことで、出産後に「足りない」と困ってしまう事態を避けることができます。
なお、授かり婚をしたカップルの結婚準備スケジュールについては以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
できちゃった結婚(デキ婚)・授かり婚に必要な手続きは?結婚までの流れをご紹介
授かり婚をしたのち幸せに過ごすためには、以下でご紹介するポイントを押さえておくことが大切です。
言わずもがな、授かり婚を否定するのは望ましくありません。
そもそも、結婚前に子どもを授かることについては2人とも同意しているので、否定するようなことはないはず。とはいえ、心が不安定になることもあるかもしれません。そのときは「子どもを授かったことで、一生を添い遂げたいと思えるパートナーと結婚することができた」と、授かり婚をポジティブに捉えるようにしましょう。
授かり婚の場合、結婚してすぐに子育てをすることになります。そのため、早いうちに「どう子育てをしていくか」について2人でよく話し合うことが大切です。何も話し合わないまま子育てが始まってしまうと、方向性の違いによりすれ違いが起きてしまう可能性があります。仲睦まじく毎日を過ごすためにも、最初のうちで子育ての方法について擦り合わせておきましょう。
繰り返しになりますが、授かり婚の場合、婚約指輪や結婚指輪の購入、結婚式、新婚旅行などのプロセスを後回しにしなければならないことがあります。とはいえ、これらは夫婦・家族にとって大切なイベントでもあります。そのため、無事に出産を終えて子育ても落ち着いてきたら、積極的にイベントに取り組むようにしましょう。とくに結婚指輪は、永遠の愛を誓い合った証となる特別なものなので、遅くなっても購入することをおすすめします。
なお、授かり婚における婚約指輪・結婚指輪の購入については以下の記事でご紹介していますので、ぜひ併せて読んでみてください。
授かり婚(デキ婚)のとき婚約指輪は必要?購入のタイミングとは?
妊娠・出産・結婚と、大きな出来事が一度に訪れると不安が募ることもあるかもしれません。そのときは1人で抱え込まずに、愛するパートナーに相談することをおすすめします。誰かに自分の不安を打ち明けることには、気持ちを晴れやかにしたり解決策を編み出せたりと、さまざまなメリットがあります。明るく楽しい結婚生活を送るためにも、少しでも不安を感じたらパートナーに相談するようにしましょう。
現代において、授かり婚は決して珍しいことではなく、世間的にもポジティブに捉える方が増えてきています。そのため、もし「結婚と同時に子どもを授かりたい」「子どもと一緒に結婚生活を送りたい」というのであれば、2人で相談して授かり婚を検討してみてもよいかもしれません。この機会にパートナーと話し合ってみてはいかがでしょうか。