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Diamond
ダイヤモンドには人工と天然の2種類があります。
ご存じのように、天然のダイヤモンドはその稀少性の高さからジュエリーとして人気を集めています。対する人工ダイヤモンドは、人工というフレーズでネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実は最近こちらも注目を集めているのです。
今回の記事では、人工ダイヤモンドにフォーカスしつつ、天然ダイヤモンドとの違いや価格相場についてもご紹介します。
ダイヤモンドには「人工」と「天然」の2種類が存在します。「人工=偽物」とイメージされやすいですが、人工ダイヤモンドならではの魅力もあります
人工ダイヤモンドとはその名の通り、人の手によって成分を合成し作られたダイヤモンドを指します。
生産技術は非常に高く、その見た目は鑑定士でも見分けるのが困難なほど天然ダイヤモンドと瓜二つといわれています。原料には天然ダイヤモンドと同じ炭素を使用しているので、原料をはじめ、光学的特性や物理的特性、化学成分、結晶構造も同じです。
人工ダイヤモンドの最大の特徴は、生成までの期間が短いこと。天然ダイヤモンドが地球の奥深くで長い年月をかけて生み出されるのに対し、人工ダイヤモンドは研究所にて数日~数週間で作ることができます。
現在、人工ダイヤモンドは、環境保全の観点で支持されています。天然ダイヤモンドのための鉱山の発掘は、環境破壊との関係性がゼロというわけではありません。そのうえ、加工には人工ダイヤモンド以上の手間とエネルギーを使う場合もあります。
人工ダイヤモンドがサステナブルという現代のキーワードと結びつくアイテムという考え方も出てきているようです。(ただし、人工ダイヤモンドの精製過程においてもエネルギーの使用は発生するため、すべての人工ダイヤモンドが天然ダイヤモンドよりもサステナブル的であるというわけではありません)
天然ダイヤモンドとは、自然にできたダイヤモンドのことを指します。
その特徴には「高い屈折率」があげられます。ほかの宝石に比べてダイヤモンドの屈折率は極めて高く、強く美しい輝きを放ちます。
この宝石の最大の価値は「希少性が高い」というところです。天然ダイヤモンドの数は有限であり、そのために希少価値があるのです。なお、「サイズが大きい」「内包物や疵が少ない」「無色透明」といったダイヤモンドはより価値が高まるため、その分価格も高くなります。
良質な人工ダイヤモンドと天然のダイヤモンドを素人目で区別するのは困難です。正しく見分けるには専門機関で鑑定する必要があります。そのうえ、最近では技術も進み、専門家であっても人工ダイヤモンドを見分けるのは困難になってきました。
人工ダイヤモンドはどのようにして誕生したのでしょうか。
ダイヤモンドが炭素でできていると判明したのは、18世紀後半のこと。そのあと、19世紀〜20世紀にかけて人工ダイヤモンドの合成を試みたのが始まりといわれています。
1879年に初めて人工ダイヤモンドの生成に成功するものの、再現性が低く正式には成功したとはいえない状態でした。その後、1941年に米国のジェネラル・エレクトリック社が他社と合同で人工ダイヤモンドの生成を試みるものの、第二次世界大戦の影響によって研究は中断され、10年後の1951年に再開したといわれています。
1955年にジェネラル・エレクトリック社がプレスを使ったHPHT(高温高圧)法を発明し、初めて再現性の高い人工ダイヤモンドが誕生しました。こちらは、宝石用には向かない小さなサイズだったため、医療や工業用として活用するようになりました。また、ほぼ同時期にスウェーデンのASEA社も人工ダイヤモンドの生成に成功していますが、こちらはサイズが小さかったため公表はされなかったようです。
1970年には、ファセット・カットが可能な人工ダイヤモンドが誕生します。その後、1980年代には宝石用としての人工ダイヤモンドが量産されるようになったといわれています。
人工ダイヤモンドの生成技術が優れたことで、現在は天然ダイヤモンドと見分けがつきにくいほど再現性が高い仕上がりになっています。人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドはルーツが異なるだけで、宝石としての品質に大差はありません。
人工ダイヤモンドの価格相場は、天然ダイヤモンドの半分ほどといわれています。
上記でもご紹介しましたが、人工ダイヤモンドの生産技術は著しく向上しています。中にはダイヤモンドの鑑定機関のひとつであるIGI(International Gemological Institute)が、そのクオリティを認めたものもあるほどです。
なお、ダイヤモンドの価値については以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
憧れのダイヤの婚約指輪!値段はどうやって決まるの?
ダイヤモンドの価格・相場についてはこちらから
人工ダイヤモンドを選ぶメリットには、まず「価格が安い」があげられます。天然ダイヤモンドに比べると希少性が下がってしまうため、手が届きやすい価格で購入することができるのです。
とはいえ、品質が悪いということは一切なく、人工ダイヤモンドだからこそ「安定した美しいダイヤモンド」を手に入れることができます。対して、天然ダイヤモンドの場合、内包物や疵が含まれるためそれぞれの石に個性がありますが、稀少性や品質などを追いかけていくとかなり高価な商品になってきます。
また、サステナブルというキーワードが重視される時代において、人工ダイヤモンドのジュエリーを身に着けることは、価格以上のステータスをもたらすこともあります。特に、ライフスタイルにおいて、サステナブルな生き方を目指す場合は、人工ダイヤを選ぶというのも良いでしょう。リーズナブルな存在として人工ダイヤを選ぶのではなく、環境に配慮したアクセサリーとして人工ダイヤを選ぶのです。
人工ダイヤモンドのジュエリーは市場でも流通しています。インターネット上でも安価なジュエリーとして販売されているケースが多く見られます。
キュービックジルコニアは、ダイヤモンドに似た人工宝石です。一見ダイヤモンドに酷似していますが、内部構造や特性は大きく異なります。たとえば、ダイヤモンドほど硬くはありません。
また、大量生産されることが多く、稀少性が低いため、人工ダイヤモンドよりもさらに安いジュエリーなどに使われることが多くなっています。その入手のしやすさや価格から、ブライダルシーンで選ばれることは少なめですが、ファッションジュエリーや、加工の容易さを活かして、ジュエリー以外の装飾にもよく使われます。
また、近年注目されている人工宝石「モアサナイト」も、ダイヤモンドに似ています。もともとは隕石から発見された宝石ですが、その製造方法が編み出されてからは、人工宝石として市場に広がっていっています。モアサナイトはダイヤモンドに近い硬さを持つうえ、きらめきはダイヤモンド以上。しかし価格は非常に安価で、人工ダイヤモンドよりもさらに安く買えるケースが多くなっています。こちらもキュービックジルコニアと同様にファッションジュエリーの素材などとして活用されています。
婚約指輪・結婚指輪にダイヤモンドが選ばれている理由には、「硬さ」があげられます。ダイヤモンドは世界の鉱物の中でもっとも硬く、傷がつきにくいのが特徴です。この点が「2人の絆の固さ」を連想させることから、婚約指輪・結婚指輪にふさわしいと人気を集めているのです。
また、ダイヤモンドには「純潔」「清純無垢」「永遠の絆」といった石言葉が秘められています。これも、婚約指輪・結婚指輪の宝石としてダイヤモンドが定番化している理由のひとつです。とくに、「純潔」や「純粋無垢」は花嫁のイメージにぴったりマッチします。
ここまでを読んで、「結局、婚約指輪(結婚指輪)にはどっちが相応しいの?」と頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドは見た目に差がないだけでなく、原料や成分、構造も同じであることから、比較がしづらい宝石です。そのため、悩んでしまうのも無理はありません。
しかし、婚約指輪・結婚指輪は愛するパートナーに贈る大切なプレゼント。せっかくなら特別感を演出でき、かつ希少性のある宝石を選びたいものです。そうなると、適しているのは天然ダイヤモンドといえます。
天然ダイヤモンドは、自然が生み出した特別な宝石です。簡単に発掘されるものではないので希少性が高く、無色透明ながらも煌びやかな美しさを放ちます。
さらに、天然ダイヤモンドには「清純無垢」「永遠の絆」などの石言葉があります。どちらも婚約指輪・結婚指輪に適した意味であるため、指輪にあしらうことで特別感をより強調させることが可能です。
こうした点から、婚約指輪・結婚指輪にはなるべく天然ダイヤモンドを選んだほうがよいといえます。
とはいえ、中には「指輪の予算を抑えて、結婚式の費用に充てたい」などの理由から、天然ダイヤモンドがあしらわれた婚約指輪・結婚指輪の購入が困難の方もいるかもしれません。そういう場合は、人工ダイヤモンドも選択肢になるかもしれません。
婚約指輪・結婚指輪を贈るにあたって最も大切なことは、パートナーへ愛する気持ちを伝えることです。そこが明確であれば、どんな指輪であってもパートナーを笑顔にできるはず。なお、ほかとは被らない婚約指輪・結婚指輪を贈りたいと考えている場合はダイヤモンドのカットにも重きを置くことをおすすめします。
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